米国テキサス州オースティン郊外にある会場で行なわれた会見でAMDは新シリーズ「Ryzen 7000」シリーズを正式に発表した。
新アーキテクチャ「Zen4」と、内蔵GPUに「RDNA2」を搭載するAMDの新シリーズ。
今月ついに発売となるRyzen7000番台のラインナップがついに発表されました。最上位は
16コア の 「Ryzen 9 7950X」 ($699)
AMDは世界最速CPUだと自信を持っています。
4つの新CPU
公開されたラインナップは4種類で、低価格モデルの
6コア Ryzen 5 7600X ($299)
まで登場しています。
Ryzenの新シリーズはコア数はそのままですが周波数が大きく向上したことによる性能アップが期待されます。周波数は5.7GHzまで、前世代から800MHzも高くなり、IPCは13%向上します。シングルスレッドは29%も高くなり、マルチコアを使った重たい作業での処理性能も高くなります。
Ryzen5000よりもゲーミング性能が29%アップ、クリエイティブ作業が44%アップするらしい。
ハイエンドの7950Xを用いたIntelとの比較においては、12世代のi9-12900Kよりも11%速く、Ryzen 5 7600Xであっても5%の差で勝利する。
新Ryzenは9月27日に市場投入される。チップセットもAM5と新しくなりますが、2025年までは最低でもサポートしてくれるそうです。メモリはDDR5限定になります。PCIe5.0もサポートされ、新しい規格へ対応します。
9月にX670ExtreamとX670が登場し、10月に下位チップセットのB670が登場します。PCIe5.0の接続をフルにサポートしてくれるモデルが下位チップセットにB670Eとして登場します。
今回は内蔵GPUにRDNA2を搭載し、グラボなしでも出力が可能になります。
CPUコアはTSMCの5nmプロセスで製造され、IODは6nmプロセスが採用されます。
価格比較
16/32 コア/スレッドの Ryzen 9 7950XはRyzen 9 5950Xの定価よりも$100安い。
12/24 コア/スレッドの Ryzen 9 7900Xの定価はRyzen9 5900Xから変わらず。
しかし8/16 コア/スレッドの Ryzen 7 7700X は 5700Xよりも$100高くなっています。
Ryzen 5 7600XはRyzen 7 5600Xと同じ定価のまま。
定価で比較していますが実際には5000ファミリーはAlderlakeがでてから暴落。それでももう一度強気の価格でだすので、AMDはインテル第12世代Alderlakeよりも性能で比較するとお得だと主張しています。
しかしRyzen7000ではAM5の新しマザーを買う必要があり、メモリもDDR5を買わなければいけません。結果的にはかなりの初期投資になると考えれます。一方でインテルは第13世代でもDDR4をDDR5と共にサポートを継続、マザーも12世代と同じ物が利用できます。TSMCが値上げを発表し、インテルもこれからの値上げに言及していますのでCPU自体は値上がりするかもしれませんが、まだ13世代 Raptor Lakeの価格はわかっていません。
最大クロックはどんどん高くなってきていますが、今回は800MHzと一番の上昇です。最大5.7GHzは市場では最高のクロックです。しかし13世代はわずか100MHzですがこれを超える予定。
かなりのパワーアップをしているように見えますが、電力制限もかなり解放してきています。TDPはRyzen9では170Wと65Wの上昇。Ryzen 5は45W上がっています。
AM5のpeak power consumption (PPT) は230Wで、Ryzen 5000's 142Wよりかなり上がっています。
AMDによると、「ゲーマーの要望に応えて消費電力を上げても性能を上げることにした」らしいので、はやり一番のポイントはゲーミング機能かと思います。
電力は数字だけでは比較できず、性能との比較が必要になってきますがRyzen7000番台では最大速度はこれで大きく引き上がるでしょう。アーキティチャもZen4と進化していますので、パフォーマンスパーワット、処理性能単位の消費電力はこれから楽しみですね。
AMD Ryzen 7000 Zen 4 vs Intel Raptor Lake (インテル第13世代)
インテルの次の13世代の大きな特徴はEコアを4つ増加することです。13700K、13600KではEコアを4つ増加させ、コア数が32コアまで増えています。
そして12世代のi5-12400では搭載されていなかったEコアが、i5-13400 に追加されます。これによりローエンドではAMDはかなり苦しくなるかもしれません。Eコアが追加されるのでこの13400 が今の12600Kと同じ価格くらいまで値段上げてくるんじゃないかって心配もしてます。
ベンチマーク
公開された公式のベンチマークではメモリはDDR5-6000C30 EXPOが採用されている。Ryzen 7000 のサポートメモリは DDR5-5200らしいのでかなりOCされている模様。EXPOはインテルの XMP profileのAMD版でワンクリックでのメモリOC設定が定義されています。
前世代からの進化もすごいのですが、インテル第12世代Core i9-12900Kと比較しても、V-Ray Renderを利用したベンチマークではパフォーマンスパーワットが47%高い状態でマルチスレッド性能で57%高い性能をみせ、シングルでも性能が高い。しかしシングルはGeekenchのスコアしか出していないので注意が必要。まだ信用できる数値ではないでしょう。
Ryzen 5 7600Xはミドルレンジでありながら5%でCore i9-12900Kにゲーミング性能で勝利することができる。Zen4アーキ採用とTSMC5nmの採用によって低いTDPでもより高い性能が発揮できるようになっているのでしょう。
AMDはZen4のIPC向上を平均で13%としており、それぞれのアプリケーションでZen3と比較しています。差が大きい物ほどゲームタイトルが多いことがわかります。
AMDはインテルAlderlakeよりも小さいパッケージでありながら電力効率が高いこともアピール。Zen4はAlderlakeのGoldencoveよりも半分のサイズでありながら電力は47%も電力効率に差が出るらしい。
マザー
X670 と X670E が先に登場して、B650E と B650が次の月の10月に登場しますのでコスパよく組みたい人は一ヶ月待つことになります。マザーも詳しくは前回の動画でまとめています。
B650EはPCIe5.0をM.2 と GPU スロットの両方に用意し、B650のスタンダードver.ではM.2スロットのみになります。そのほかパフォーマンスは同じで、両方ともOCが可能らしいです。
対応メモリの速度はまだ発表はありません。DDR5-5200とも、6000という噂も出てきています。AMDはメモリメーカーにEXPO対応の製品をCPUの発売と同時期に出してくれることを期待しているでしょう。
もちろんDDR5メモリの価格が落ち着くことが重要で、AlderlakeではDDR4も対応しているのでまだDDR5メモリは値段が割高。メーカーが安いのを出してくれることを期待ですが、Raptorlakeもすぐに出るのでメモリ価格も含めてユーザーはそちらを購入するか考えるでしょう。
DDR5メモリはメーカーの製造と供給を考えれば年末までには価格が落ち着く予想ですが、DDR4とDDR5の価格が逆転するのは2023年の中期と言われています。
とにかく、9月27日に発売ということです。
AMDはRyzen5 でも4万円超えという強気な価格設定。しかもメモリとマザーを買い換える必要がありますので、性能はかなり上がらないとAlderlakeに比べて魅力的にはならないでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿