今回は、SSDの比較をしてみたいと思います。
ちょうど1TBのSSDがほしかったので2本購入しました。おなじのでもよかったんですが、どうせ買うなら違うブランドの物かってあそんでみたいなといまして、
「Crucial P2」 と 「キオクシア EXCERIA PLUS G2」
を買ってみましたので、ついでにお互いを比較してみようかなと思います。
価格差は約1600円。P2は低価格のいわゆる安い「ローエンド」。キオクシアのEXCERIA Plus の方はPCIe3.0の中でのハイエンドに位置します。キオクシアのSSDシリーズはもう一つ上のPCIe4.0用に「Pro」も存在するのですが、現在一番実用的なPCIe3.0のSSDで比較しましょう。シーケンシャル速度の限界突破を目指さないなら、PCIe3.0で十分です。
ローエンドとハイエンドといえど、EXCERIA PLUS G2はPCIe4.0が出てからSSD界ではハイエンドではなくなってしまったので今ではちょっとお得に買えるのかな。それにしてもローエンドと比べて1,600円の差はかなり安いと思う。
しかし実はP2はローエンドといえどスペック表を見てみるとかなり性能が高いように見える。仕様表では見ることができないローエンドとハイエンドの差がどこにあるのか。今回は基本的なベンチマークから実際のデータコピーテストまでいくつかのテストを行いました。
するとローエンドSSDの仕様表では見えない弱点も見えてきましたので、SSD購入を考えている方は参考にしてみてください。(テストは後半からスタートです)
それぞれの仕様
Crucial P2
本来Crucialは純正SSDメーカーとして知られていますが、ローエンドのP2は他社製のコントローラーを採用しています。
DRAM非搭載。前のP1にはあったので残念。
TLCとQLCが混在。基本QLCか。DRAM非搭載とQLC採用で大きいデータ量を扱うと速度の低下の可能性。
ハイエンドのP5に比べて速度が遅かったり、DRAMなし、QLC採用などでコストダウンを測った入門SSD。ちなみにP5はかなりおすすめできるSSDの一つなので前のハイエンドSSD紹介動画を参考にしてみてください。
Kioxia EXCERIA Plus
基盤はちょっと水色っぽいおしゃれな感じ。
キオクシア製コントローラーを採用。確かこれも下位のオレンジラベルのやつはphison製品だったと思うで注意。
公式の情報はありませんでしたが、TOSHIBAってロゴが書いてあります。
さて、こっちは両面実装ですね。裏面にはDRAMキャッシュ、4枚のメモリチップが実装されています。
同じく下位モデルも存在するのですが1TB売り切れのため上位のPlusを購入しました。レギュラーバージョンは人気商品で安い。しかも仕様はローエンドじゃなくてミドルクラスです。
DRAMの有無やTLC、QLC 採用の違いによってどれほど性能に差が出るのか、差額が1,600円とそんなに大きくない差なのですが、その価値が本当にあるのかぜひ比較してみたいものですね。
仕様表比較
キオクシア SSD 同士の性能差を比べてみるとをざっくりとこんな感じになります。シーケンシャルもランダムも両方とも性能に差が出てますね。しかしオレンジ色のレギュラーバージョンの方も十分なくらい性能が高いと思いますので、正直ほとんどの人はこっち買えばいいかなと思ってます。
で、現在は G 2ってなってるんですけどももっともっと無印だったんですが現在は Ver 2になっています。500GB版が高速化されているらしい。
それではざっくりとP2 エクセリアPlus共にお互いの仕様を並べて比べてみましょう。
数値から見てみると明らかに EXCERIA Plus の方が勝っています。シーケンシャルもランダも速度が勝っていますし、DRAM搭載していて TLC 採用。その結果 TBW も少し高くなっています。
オレンジと比べてみてもいい勝負をしてるように見えます全体的に負けてる感じがします。
ベンチマーク
CPU : Intel Core i5-12600K
マザー : Z690 UD DDR4
SSD : SN750 500GB
Memory : DDR4-3200 8+8=16GB
ざっくりとこんな感じですね。まあ i5なんですけども12600Kなんで大したレイテンシはうまないと思います。シャアザクのクーラーがかっこいいですね。
M .2のスロットが2個あるんですが、それぞれ P 2とエクセリPlus を入れ替えて同じ場所の第一スロットで測定したいと思います。
CrystalDiskMark
はやり全体的エクセリアPlusの方が上位。テストサイズが増えるとランダム速度が低下する部分があります。P2のランダム書き込みが低下しやすいか。Plusのランダムリードも少し下がりました。
AS SSD Benchmark
特にいうことはないかな。
ATTO Disk Benchmark
それぞれのサイズで読み書き速度をテストしてくれるツールですがちょっとみにくいのでグラフ化しました。
P2の読み出しがサイズが増えるごとに低下していっているのが気になります。
さて、表面的なベンチマークはこんな感じです。ここからが本番です。こんなベンチマークソフトは、意味ないです。重要なのは実際に快適に使えるかどうか。
次はデータサイズを大きくしてSSDの処理耐性を測っていきます。ここからがローエンドSSDが苦手になっていくところです。
3DMark Storage Benchmark
SSDはゲームように使う方も多いと思うのでゲームでの速度を測定していきます。
3D markのはさまざまなゲームファイルを使って測定できる3DMark Storage Benchmarkがあります。各タイトルのゲームのインストール、起動などさまざまなシチュエーションを想定して測定します。
大体主要な部分だけを抜き出してグラフにしました。やはり全てにおいてエクセリアPlusの方が上回っています。どれほど体感できるまでの差が出るのかはわかりませんが、実際のゲーム環境でも多分快適になるんでしょうね。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ
FF14のゲームベンチマークでロードまでの時間を比較してみました。
差はありますが体感できるかはわかりませんね。P2の方がはやかったですが、気にしなくてもいいかもしれません。
さて、色々ベンチマークをみてきましたが、実際に体感できるかわからない部分もありますのでこの後は次は実際のデータコピーにかかる時間を測定していきます。
これから先は大量データを用いてテストします。
ゲームデータコピー
50GB のゲームデータを用いてコピーの読み書き速度を測ります。左のグラフは処理にかかった時間なので、グラフが短い方がベターです。
読み書き共にP2の方が上回ってしまいました。特に書き込み速度にはかなり差が出たため、書き込み終了時間は大きく差がでました。
P2優秀じゃん♪
動画データコピー
こちらも結果的にP2の方が早かった。読みも書きも、P2の方が早かった。
と、いうことで、箱から出した状態では、P2の方が優秀。ということでいいだろうか。
Amazonにレビューを書くのはちょっとまってくれ。
「いや、やっぱりここからが本番。」
そもそもSSDはデータを保存するために使うので、かならずある程度の容量が使われている状態です。次は実際に使う環境と同じく、データを書き込んだ状態で測定していきます。
SSDを使い続けていると、容量がどんどんなくなっていきますね。容量が圧迫されていくとなぜか速度がめちゃくちゃ遅くなることはないですか?それらは、ローエンドや微妙なSSDでよく起こります。
現在のSSDは速度低下を防ぐためにSLCのように扱う、SLCキャッシュをいう技術を採用しているのですが、SSDによって確保されているSLCキャッシュの容量は限られています。
とくにQLCを採用しているSSDはキャッシュ切れ後の速度低下が激しくなりがちなのでとくにP2の方がどれほど速度低下をするのか気になりますね。
値段が比較的高いSSDは、DRAM搭載やTLC採用で根本的に速度低下がしにくいのですが、
この、データ容量の大きいデータを扱うのは、ローエンドSSDが苦手とするところです。
同じテストを、SSD容量をデータで圧迫していって比較測定をしていきます。
@
ここで問題発生。SSDの容量を適当なゲームファイルとかで埋めていってたのですが途中でP2がくそほど遅くなりました。これは期待できそうです。
データで残り容量を半分にした状態でさっきと同じ大きい容量の動画とゲームデータの読み書きをしてみます。容量が空だった時にはやかったP2の書き込み速度が信じられないくらい遅くなっています。遅くなっているというか、SSDかどうか疑うくらいの速度です。
読み出し速度には全く影響していないのですが、書き込み速度だけが驚異的な低下。SLCキャッシュの確保量が厳しくなると書き込み速度がかなり低下しますのでその影響かと考えます。それにしても、こんなに低下するものなんですかね。
何のためにもっと容量を埋めてからテストしてみます。
データで全体容量の75%をうめた状態のテストです。結果がよくなるはずもなく。一方でエクセリアPlus買い込み速度には影響なし。さすがです。あまりにも書き込みが遅いので、PS4とかのゲームストレージとか使ってもかなりインストールとか遅くなるんじゃないかな?
しかしここで一つの仮説がでてくる。P2不良じゃね?
たしかに容量圧迫でかなり速度が低下するなんてあるんですが、あまりにも遅すぎると思う。しかも容量半分使った状態でこれなんで、普通のSSDの使い方をしていればかならずこの速度まで低下した状態で使用するってことになります。
ちょっと時間がある時にCrucialに問い合わせてみます。(やっぱり不良じゃないことがかくにんできました。想像以上の速度低下なんですね。。)
テスト結果まとめ
使用なのか不良なのかわからんが、1600円差だったら絶対にPlus買う。
というか、この価格差だったらP2の書き込み速度低下問題が出ていなくても、Plus買いますね。やっぱり物理DRAMがのっていたりTLCだったり、まだまだ安心感が残るテスト結果になりました。
逆にエクセリアは「在庫がたりない需要過多」の状況でありながら、ちょっと安すぎると思う。せっかくいいブランドとメモリ作れるんだから、日本企業がすべきところはきちんと値上げをして、マーケティングに力を入れるべきだと思う。
とにかく、お客さん目線で見れば一番いSSDブランドの一つです。
一方でP2の方はもう少しテストしてみますが、ちょっと、いやかなり不安の残る結果になりました。ただ、SSDで肝心な読み込み速度は安定して出すことができますので、単純にゲームのロード時間を短縮したいとかだけで使うのならありかもしれませんが、エクセリアの在庫がなかったときにしか選択肢にはならないでしょう。
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